【連載】私が私を取り戻す日記③希死念慮に向き合うこと、受け入れること

フラッシュバックやメンタルの状態が良くない人はスルーしてくださいね。
石川優実 2025.02.06
誰でも

ずっと「死にたい」という気持ちを抱えながら生きてきました。これも複雑性PTSDやトラウマやうつ病による症状だということを知って、もう少しごまかさずに語れる場があってもいいんじゃないかと思い、文章としてまとめておきます。

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自死を考えてしまうことって複雑性PTSDを患っていると当然ということがわかりました。症状なら仕方ないと知って少しだけ楽になりました。これまでは、こんなことを考えてしまう自分の弱さを責め続ける日々でした。

基本的にやはり死ぬ事が選択肢に入っている人生だな、とは思います。突然死んだら原因がわからないと思うからこういう場に残しておきます。基本こわいので死にたくないと思っています。痛そうだし・・・

ただ、性被害に遭ってトラウマに苦しむ人間が日々こうやって死なないように戦っていることは知ってもらいたいです。

死にたいなんて心の底からは望んでないのに、勝手に自分が死ぬことを考えるんですよね、当たり前のように。死ぬことを話すのってタブーのように言われるけれど、その時の細かい心情はもう少し色々あるってことを知っててもらってもいいんじゃないかなぁと思います。

正直、いつ死ぬ気がなくても飲酒の弾みで一線をこえてしまうかわからないなぁと思います。飲んでる時って何もかもがどうでもよくなりがちだし。それもあって2023年は飲まなかった。危なかったので。

最近はPTSDって治らない、回復はするけど基本的には付き合っていくしかないと理解して、ちょっと、私このまま生きていくの~?という気持ちになりました。

なんか少し、死ぬ事が新しい世界のように、希望のように思えてしまってこわいなぁと思いました。やだよね。こうやって向かっていくのだろうか。自分がこわいです。

特にここ数年は、少なからず交流があった人たちが立て続けに亡くなって余計死が近づいた気もします。

水井真希さんは特に本当に、仕事的にとても近いところにいたから(俳優の仕事してる時から会ってる)本当にね、訃報を聞いた時は多分解離状態になりました。まだ受け止められていません。

水井さんもよくポストにもしていたけど、自傷行為をしていたと思う。

もう少し性被害を受けた人の自死を重く社会に受け止めてほしい。流されるように消費されていって、みんないつまで覚えていてくれるのか。どうしたらこの衝動を、もう被害を受けてしまった人が少しでも今後穏やかに過ごせるだろうか。

女の死にたいとか、自傷行為を「メンヘラ」「かまってちゃん」で済ますのやめてほしいんです。その中でどれだけの人が過去に性被害を受けているのか…

「死にたい」という気持ちを出せたときに、「そういうこと言うな」と言われるのはいちばんしんどいです。ただただ、その事実を認めてほしい。死にたいほどつらい状態であることを、無視しないでほしい。

一番絶望的になったのは、SNSでその気持ちを書き込むと誰かがそれを通報?みたいに報告して、プラットフォーム側から止めようとされるやつでした。SNSから離れてくださいみたいな警告?も来たかな。あれって逆効果な気がする。

この記事とてもよかったのでシェアしたいです。

「死にたい」と言える場所を奪うことは決して解決にはならない。むしろ安心して「死にたい」と言える場所を作ってあげることが大切なんじゃないかと思うんです。「死にたい」と誰かがSNSで呟いたときに、「手伝ってやるよ」とか「どんどん死ね」というような心無い書き込みをする層は必ずいるでしょう。甘いと言われるかもしれないけれど、それに対して一言でも「そんなことを言うのはおかしい」「ダサいよ」と言ってくれる人がいたら、それで救われる命があるはずなんです。

私が今生きていられるのは、ある程度素直に「死にたい」と言える環境があるからなのかな、と思います。なぜ死にたい気持ちになっているのか多くの人が受け止めてくれて、そうなんだねとその気持ちを否定せずに聞いてくれる友人たちがいる。レターでも比較的書いていて、それがよい風に働いているのではないかと思う。

「居場所」とまでいかなくても、もっと素直に「死にたい」と言える環境があったらいいと思う。口に出すだけで思いとどまれるのなら、安いもんだろう。

性暴力に遭った人が「死にたい」と思うことは、別に異常なことじゃなくて人間の反応として普通のこと、よくあることなんだよということがもっと知られたらいいな。その気持ちを素直に吐き出せるようになることも、回復への一歩なのではないか、と思うのです。

「受け入れてほしい」と思うのは、「死ぬことを」ではなくて、「死にたいと思っているその気持ち」です。

死にたいという正常な反応さえ、自分はおかしいんじゃないか、頑張りが足りないんじゃないか、前向きにならなければと自分を責めてしまう人が多いのではないでしょうか。

そんなことなことないよ、そういうこともあるよねと受け止めてもらえたら、心の重荷がちょっと軽くなるような気がします。そんな社会であれば、最悪な今よりはちょっとはましな人生になるのかな。

石川優実

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