Vol.26朗読劇イベントありがとうございました。
こんばんは。石川優実です。
6月30日に、ご縁あり、プランインターナショナル日本事務局創立40周年記念・朗読劇イベント「100年前の女性は何を思っていた?」に出演させていただきました。

ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。
国際NGOプラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面する課題解決に取り組んでいます。
今回は朗読劇を観た後、会場でグループにわかれディスカッションをするあまりないタイプのイベントでした。
終わったあとに幅広い年代の女性たちが生き生きと色々な話を楽しそうにしていてとても嬉しかったです🥰
朗読劇の舞台となった「青鞜」の時代
朗読劇の舞台は平塚らいてうが創刊した「青鞜」時代。
私は小説を書き青鞜社に通い、自由恋愛を支持するマチコという「新しい女」の役をやらせていただきました。(今度書く小説のタイトルは「婚外交渉の女の悦び」、と企画している女の役でした笑)

朗読劇でしたが結構動き回りました笑
この時代、女性たちは恋愛や小説を書くことくらいしか、自分を表現することができなかったのかもしれません。
しかし出てくるセリフは、「私これいつもTwitterでアンチに言ってたわ」みたいなものばかり。笑
「それって、女は何も言ってはいけない、ということになりますよね?」とか、「女性は男性がいなければ価値がないということですか?」とか…笑
まだまだ性別役割分業の蔓延る令和。「もう女性差別なんてないよ~笑」と思い込んでいる人がいる分、差別解消への道はより複雑になっているのかもしれません。
それでも、100年前に1歩を踏み出し声をあげ「自分」というものを表現してくれた彼女たちがいてくれたおかげで、私たちは選挙に行けるし仕事ができるし、教育を受けることができ、「それって女性差別じゃないですか?」とその都度声を上げることができるのだと思います。
作中、すごく共感したセリフ。
「読み書きができるようになると、人生が変わりますよ。より深く、物事を考えられるようになる。」

これは山川菊栄の演説のシーン。私たちは後ろで「いいぞっ」とか言ってます。
女の子たちが、女の前に、妻の前に、母の前に、人間として生きるためにはやはり、物事を考える力をつけること、そのためには、ハラスメントや暴力にあわずに健康に育つことが本当に大切だと思います。
性暴力や性差別、ハラスメント、DV(精神的なものも含む)は、人間から考える力を奪います。
平塚らいてうのいうように、「全ての女性に潜める天才性」に、女性自身が気が付き、自分らしく生きていける世の中になるよう、これからもこのような活動に携わっていきたいと願っています。
久しぶりのお芝居でした。
今回私は、朗読劇ではありましたが7年ぶりくらいのお芝居の仕事でした。#MeTooの記事を書いたのが2017年。この時に、もうお芝居や芸能の仕事はできなくなるんだろうな、そういう覚悟をしました。
実際、やりたい、やりたくない以前に、その後#KuToo運動が始まったりもあり、お芝居をする余裕は自分の中にありませんでしたし、映画界や演劇界・芸能界の性暴力・ハラスメントがまだまだ表に出てこないうちは、戻れないよなぁと思っていました。
しかし近年、2022年には映画界や演劇界の性暴力の告発が相次ぎ、今年に入ってからはジャニーズ事務所のことなどもやっと公に批判されるようになってきました。
私は、芸能界に入ってから2017年の#MeTooの記事を書くまで、性被害に遭っていない状態でお芝居をすることはなかったと思います。継続的にグラビアの露出の強要は裏であったし、その時々でキャスティングを理由に性行為を求められ断り切れないなど、何かしらいつもあって、「どうやってこれを交わすかとか、どうやって気にしないようにするかとか、そういうことに労力を奪われずに芝居のことが考えられたらどれだけ幸せか」と思ったものでしたが女性である以上仕方のないことだと諦めていました。その結果、当時は一度芝居は諦めました。
でもそれから7年経って、私たちにはもっと健全な環境で芝居にチャレンジする環境が与えられるべきだということを、フェミニズムやジェンダーについて学ぶ中で理解を深めていきました。
今回は、初めて何の暴力にも晒されていない状態でお芝居に取り組むことができました。感覚を取り戻すまでにかなり戸惑ってしまったのが正直なところなのですが(本番当日になってやっとちょっと戻ってきた汗)、それでも冷静に少しでも今の自分ができるベストを、と考えられたのは、一緒に今回共演した柳田ありすさん、仮屋浩子さん、鯨エマさん、そして企画をしてくださったリボアル堀井なみのさんたちが温かく見守ってくださったからだと思います。
お芝居をすることが怖かったです。なぜかというと多分、ずっと芝居が下手だということで性的なことを要求されたら受けないといけないと思っていたし、芝居が下手だから脱がないといけないと思っていたから、だと思います。
この7年間の間に何度か芝居のワークショップに行ったりもしたのですが、やはり当日になると怖くてキャンセルしたくなったり、行っても恐怖だけで終わってしまったり。(講師の方がどうこうではなくて、完全に自分の問題です。PTSDみたいなものだと思う。)
1年くらい前から歌を習い始めましたが、歌は全然怖くないんです。同じく下手なのに。歌は、下手だから上手になりたい、だから練習したい!となるのですが、芝居は「下手だから怖い、下手だからやりたくない、やりたいはずなのに怖い」と、ごちゃごちゃな感情が生まれてきて自分でもうまく整理できていませんでした。多分、歌を歌うことでは暴力を受けたことがなかったからなのではないか、と思います。
でも今回、本当に心理的に安全が確保された状況で取り組ませていただき、自分の中にある「下手であろうと芝居がしたい!」という気持ちを素直に肯定してあげられるように少しなったような気がします。ずっとこうなれる日を夢見ていました。
今回朗読劇終了後のディスカッションの時や終わった後、たくさんの方から嬉しい感想をいただきました。私もとても嬉しかったです。怖かったけど、参加させてもらって本当に良かったと心から思いました。
改めまして、ご来場くださった皆様、演出や共演してくださった柳田ありすさん、仮屋浩子さん、鯨エマさん、そして企画をしてくださったリボアル堀井なみのさん、そしてプランインターナショナルの皆様、素敵な本を書いてくださったトリニダード・ガルシアさん、関わってくださったすべての皆様(お名前書ききれなくてすみません)、本当にありがとうございました。心から感謝です。
今回の朗読劇企画は、今後また別の場所でも開催できるかもしれません!その時はまたどうぞよろしくお願いいたします☺️🙏

皆さんと。

素敵なお花もありがとうございました!持ち帰りました🌸
石川優実
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